乱数を導入する

 これが、今回もっとも考えるべきところが多い難しいところです。そもそも、乱数を導入することは、最善手を回避していることになるでしょうか。
 結論から言うと、なりません。どれほど複雑なランダム要素があろうとも、勝利につながる確率のもっとも高い選択肢がつねに最善手です。
 理想的にはこの手法で「最善手はあるのだが難しくてわからない」の域に達することができる可能性がありますが、それは至難の業です。「最初は面白いんだけど繰り返し遊ぶうちに面白くなくなる」の、「最初」にあたる時期をどれだけ長くできるかの勝負になるでしょう。優れたものは他のものより長く流行するがやがては飽きられるというのは本質的に避けられない現象でしょう。
 一方で、乱数要素を高めてゲームの主眼にしてしまうという手法もありますが、それはむしろ次の「賭けを主眼とする」の分野でしょう。