別物?

 ボードゲーマー同士だと、シュミレーションゲーム(以下SLG)や、トレーディングカードゲーム(以下TCG)や、ロールプレイングゲーム(以下TRPG……そのTはどこから来たんだ?)や、ミニチュアゲーム(以下……ミニチュアゲームのまま)とかの名前が出た時に、「まあ、あれは別物だから」という言及がされて、互いに同意があるという状況が普通にあります。
 この、普通の状況に敢えて異議を唱えてみようと思うのです。そこには本当に、別物と呼ぶほどの違いがあるでしょうか。
 ゲームの方向性が違うから? 本当にそうでしょうか。例えばカタンと6ニムトを同列に語りながらSLGは別次元とされることがありますが、方向性の違いを現わす「違い度」というものを考えたとして、カタンと6ニムトの方向性の違い度が10だとすると、カタンとSLGの違い度は6くらいですよね(いやまあ適当な数字だと自分でも思いますが、言いたいことは伝わると思います)。カタンとTCGなら4くらいかな。カルカソンヌと水道管ゲームは2くらい(話題がずれてる)。
 僕が思うには、ボードゲームもSLGもTCGも、同じ非電源ゲームなんですよ。ルールが違うだけで。(といってもTRPGはやっぱりなんとなく別カテゴリーな気が僕もしちゃうんですが……でも指輪物語ボードゲームとか最近のシナリオがある系のボードゲームとTRPGはかなり同じ方向を向いてますよね。あともちろん(笑)アステロイドとも)。そしてみんな非電源ゲームのゲーマーなんですよ。好みが違うだけで。
 こいつはこんなことを書くからにはSLGのプレイヤーなんだろう、と思われるかもしれませんが、僕はSLGはまったくやってません。で、ここが大事なんですが、なぜそんな僕がSLGの話をしているのかと言うと、SLGのプレイヤーがSLGについて語ってもまじめに耳を傾けてもらえないからです。「あの人はシュミレーションゲーマーだから」と言われて、とりあってもらえない。“偏見”ですよね。それが述べられる口調を考えても、まさにこの言葉です。例えば、僕がミニチュアゲームの面白さについて述べても、あまり説得力はないんですよ。なぜって、僕がミニチュアゲームのプレイヤーだからです。──ここでいま、「ああ」って思われたとしたら、それがまさに偏見です。
 どうして、「〜〜は、自分はやらないけど、面白いと思うよ」と言えないんでしょう。どうしてみんな、自分のやってるゲームは面白いゲームで、自分のやらないゲームはつまらないゲーム、なぜつまらないゲームをやるやつがいるのかというとそいつらがアレだからだ、となっちゃうんでしょう。それはエスノセントリズムっていうんですよ。
 まあこれは、違うジャンルのゲームをやる人同士が互いにそうだという面があるのでおあいこだともいえます。でもまあ、自分はそうならないようにしたいものです。
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